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・・・どうしてドッグトレーナーになったの？

私は、物心ついた時から動物が好きで、今まで一緒に暮らした動物は、犬・猫・ネズミ・ハムスター・金魚・メダカ、、、虫もたくさんいました。中学生の頃に、盲導犬や介助犬について調べ、人のために働く犬達に興味を持ち始めました。いつの間にか、犬の訓練士になりたいという夢を抱き、高校卒業後は動物専門学校へ進学、ドッグトレーナー専攻で二年間学びました。学校の周りに住む一般の飼い主様との関わりもあったことから、犬の問題行動が改善され飼い主様が喜ぶ姿を見ることが嬉しく感じ、家庭犬トレーナーになりたいと強く思うようになりました。しかし、教わっていたのは罰を用いた「正の弱化」のトレーニング方法。チョークチェーンの使用、ショックを与える、リードで叩く、手で叩く、音が出るもので驚かす、首根っこを掴む、、その手法をこれが正しいのだと自分のものにしていきました。もちろん犬は、叩かれたくないので防御、回避、逃避・・・様々な行動が見られました。完全に体罰ですよね。

そんなやり方に疑問を持ちながら卒業後、思った就職先が見つからずペットショップに就職し、ペット業界の裏を初めて目の当たりにしました。幸せな犬がいる中、その子犬を産む母犬や父犬を取り巻く環境がいかに悲惨か。散歩には行かない、一日のうちで日光に当たることがほとんどない、立った状態で回ることができない・後ろ足だけでは立ち上がれない小さなゲージ、ゲージは積み重なった状態で細かい新聞紙が敷き詰められているだけ、一日の中でほとんどゲージ内で過ごしているので糞尿がどうなっているかご想像すればわかると思います。ゲージから出ても、囲われた柵の中だけで何十頭と一緒、怪我をしている犬は小さな傷であれば放置、今思えば学習性無力感に陥りどの犬も鬱状態でした。お店には、綺麗に掃除されたガラス張りのケースに子犬が並んでいる、子犬も狭いケースに入り母犬や兄妹から離され走り回ることもできない。それを知ってしまったら、、正直な話ですが、ショックで長く働くことはできませんでした。人間がこんなことしてごめんね、という無責任な言葉しか出てきませんでした。犬が好きで働き始めたのに、犬の幸せを見ることができない現状。実際、自分がどうやってこの環境を変えていけばいいのかと考えた時に漠然としました。